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お盆

『今年の目標はね、
また3人揃っておじいちゃんに会いに行って、一緒に墓参りすること。
それだけでいい。』

泣きながら母に伝えた、
今年の2月。

あれからもう半年が経ち、
姉が帰って来て、
昨日、無事に目標は達成された。

おじいちゃんは、
今年の10月で91になるらしい。
だいぶヨボヨボになって来たが、
まだ自分をしっかり持っている。

おじいちゃんの口からは毎年怒りと憎しみが語られる。
そしてお金の話。
はじめておじいちゃんのその思いを聞いた時、
ウチは号泣してしまった。
あれから何年経ったか、、、

今もその話を何度も何度も話すが、
もう涙は出ない。
去年の出来事があってから、
あれ以上のツラさはナイから。

『おじいちゃんがまだ意志がはっきりしてるのは怒りがあるからだね』
と、母が言った。
『怒りって原動力になるからね〜』
あはははと笑う母と姉の姿に苦笑いしながら、
ウチは今日という日を噛み締めた。

じゃあもう帰るからね!
と止まらないおじいちゃんの話に見切りをつけ、
外に出た。
手土産に持って行ったお酒が焼酎と聞いておじいちゃんの顔がほころんだ。
わいわいガヤガヤ喋って、
母が言った。
『焼酎飲んで100まで生きるんだよ』
ウチはその言葉を聞いて、
歓喜した。

『100歳?!
カッコいい!!*\(^o^)/*

テンションが上がったのか、
おじいちゃんが投げキッスを飛ばしてきた。
投げキッスが止まらない;
『投げキッス?!
何そのキャラ?!』

楽しかった。
本当に久々に見る、
ひょうきんなおじいちゃんだ。

最後までウチらが去る姿を見届け、
ヨボヨボと老人ホームに入って行く。

『出たね〜じいちゃんw
おもしれぇwww』

そう、おじいちゃんは面白い人だった。
私はおじいちゃんが大好きなんだ。

おまえらだけだ。
来てくれるのは。
もっと顔出せ。
また来いよ。

私たちの、数少ない味方。
おじいちゃん。

おじいちゃんの裏切られた気持ちと、
孤独を考えると、
ウチはまた涙が出る。

けど、もう、
泣いてはいられない。

グチャグチャになった様々な関係。
もう顔も見たくないし、
一切関わりたくない人もたくさんいる。
だけど、
幸せに生きた記憶と、
受けてきた愛情と、
諦めない母と、
戻って来た姉がいるなら、
ウチは、まだやれるよ。

笑いがある。笑える。
この幸福に、心からの感謝と、決意を。